
信じがたい話じゃが、投資顧問の中には高額の顧問料を支払ったのにも関わらず、まともな情報・サービスをまったく提供せず、自分らの利益しか考えない悪質投資顧問が存在する。
しかも、この手の被害は決して珍しい話ではない。
金融庁に寄せられた投資詐欺に関する相談は、令和5年(2023年)1月から令和6年(2024年)12月までの2年間で合計15,054件にのぼり、そのうち83.2%にあたる12,526件は実際に何らかの被害を受けたものじゃった。
このページでは、悪質投資顧問の詐欺的な手口を知ることにより、利用する前に悪質な投資顧問であるかを見分ける方法を紹介するぞ。
あわせて、近年急増しているSNS経由の投資詐欺の最新手口、無登録業者の確認方法、実際に被害に遭ってしまった場合の相談窓口までまとめて解説していく。

まず知っておきたい、投資詐欺の最新の被害状況
本題に入る前に、投資詐欺が今どれくらい深刻な問題になっているか、最新の統計を確認しておこう。
警察庁が発表した最新の統計によると、SNSを入り口とした「SNS型投資詐欺」の令和7年(2025年)の認知件数は9,538件(前年比48.7%増)、被害額は約1,274億7,000万円(同46.3%増)と、いずれも大幅な増加を記録しておる。
出典:ニッキンONLINE「25年の特殊詐欺、件数、被害額とも過去最高を記録」
金融庁への相談内容を年代別に見ると、相談者全体の約25%が60代以上の高齢者で占められておるが、30代以下の相談も全体の12%超あり、決して高齢者だけの問題ではない。
悪質投資顧問の特徴:そもそも投資顧問って?
そもそも「投資顧問」とはどんな職業なのかご存じじゃろうか。
「悪質投資顧問」の特徴を知る前に、「投資顧問」がどんなことを行っているか確認しておこう。
「投資顧問」とは一言で表すと「投資家の投資に対して助言する」職業じゃ。
じゃから助言を行う「投資顧問」には知識や理論はもちろんのこと、深い投資の経験値を活かしてプロとしての投資判断を下すことができ、しっかりとした結果を出せる実力を持っていなければならない。
また投資顧問といっても下記二つのタイプがある。
- 投資の助言のみを行い、売買は投資家自身に任せる「投資助言業」
- 助言だけではなく運用まで全てを行う「投資一任業」
投資顧問はこのようなタイプに分かれるが、一般的に投資顧問業というと「投資助言業」を指す。

悪質投資顧問の特徴:誇大な広告表現
「投資顧問」を初めとする金融商品を扱う会社は、必ず金融取引に関する法律である「金融商品取引法」によって規制されておる。
その中には会員を募る時の広告に関する規定があり、代表的なものでは以下の項目がある。
- 事実に相違する表現を行う
- 投資家を誤解させるような表現を行う

しかし、悪質投資顧問の大半はこのような「断定的な表現」を巧みに使い、投資家の弱みに付け込んで勧誘を行う会社がほとんどじゃ。
このような表現で勧誘を行っている投資顧問は、まず利用するのを控えた方がいいと言えるじゃろう。
悪質投資顧問の特徴:無登録業者の「投資助言」
法律的に投資助言業のみに認められているのが以下の行為じゃ。
- 金融商品の価値に関する助言
- 投資一任契約の締結の代理または媒介
上記の内容を「無登録の業者」が行うことは法律で禁止されており違法行為となる。
無料のメールマガジンの配信や自動売買ソフトの提供なども、法律には触れていないと勘違いしている人もいるが、内容によっては法的に助言行為を行っているとみなされ違法行為となるケースがある。
もちろん全ての無登録業者が違法行為を行っているとはいわない。
しかし、金融庁も無登録業者との取引について繰り返し注意喚起を行っており、以下のように呼びかけておる。
日本の居住者を相手に、株取引やFX取引、暗号資産取引など金融商品取引行為を業として行う場合は、日本で金融商品取引業の登録が必要です。金融商品取引を行うに当たっては、まず、相手方業者の登録を確認してください。
出典:金融庁「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」
投資顧問を利用する際は、しっかりと法的に認可を受けた証である「金商」の登録番号の記載の有無を確認することをオススメする。

悪質投資顧問の特徴:表記が会社が日本法人ではない
金融商品を取り扱う投資顧問では「特定商取引法に基づく表記」を記載する義務がある。
しかし、悪質な行為を行っているとされる投資顧問は、特定商表記に記されている「運営会社」=「法人名」が「海外法人」であったり、「〇〇運営委員会」などと法人格すら明記されていない表記となっている会社も少なくない。
日本国内向けに作られていて、国内向けに運営を行っている投資顧問の運営会社が海外法人であることはどう考えてもおかしいし、そもそも法人名でもない「〇〇運営委員会」という記載も論外じゃ。

悪質投資顧問の特徴:禁止されている投資顧問の広告表示
前項でも紹介したが、もう少し分かり易く「悪質投資顧問の特徴」をまとめた。
悪質な勧誘を規制するために金融庁が禁止している主な項目は下記の通りじゃ。
- 投資顧問が有利になる投資実績だけを表示している
- 明確な根拠もないのに他の投資顧問よりも優れていると記載する
- まるで限定だと言わんばかりに偽り、顧客を誤解させて勧誘する行為
- 運用の許可が降りてない無登録業者が投資助言を行う、行っているように誤解させる

【最新の手口】急増するSNS型投資詐欺にも要注意
ここまでは主に「投資顧問サイト」を利用する際の見分け方を紹介してきたが、近年はそもそも投資顧問サイトを介さず、SNSやマッチングアプリ、LINEを通じて直接接触してくる「SNS型投資詐欺」が急増しておる。
冒頭で紹介した通り、被害額は年々増加しており、もはや見過ごせない手口じゃ。
警察庁の資料によると、SNS型投資詐欺には以下のような共通した特徴があるとされておる。
- SNSの広告やダイレクトメッセージを通じて接触してくる
- 著名人の画像を無断で使用したバナー広告などで信頼させようとする
- LINEグループなどに誘導し、他の「利用者」を装ったやり取りで信頼させる
- 最初は少額の配当や出金に応じ、信用させたうえで高額な入金を促す
- 高額な入金後、突然連絡が取れなくなる

金融庁も、こうした手口について繰り返し注意喚起を行っておる。
知り合いからの紹介やSNS等を通じて、暗号資産やコモディティ等で運用すると必ず儲かるとうたう高利回りな投資話に勧誘され、入金又は暗号資産を購入。当初は配当があり払戻しもできたが、しばらくすると、突然サービスが停止し、配当や預けた現金・暗号資産の払戻しができなくなった。
出典:金融庁「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」

少しでも不審な点が見受けられた場合は投資を見合わせるのが一番の防御策じゃ。
【新手の手口】検索結果やAIの回答を悪用する詐欺にも注意
2026年に入り、警視庁が新たな手口について注意喚起を行っておる。
検索エンジンやAIの検索機能を悪用し、「詐欺ではない」という趣旨の情報を意図的に大量に表示させ、利用者に誤った安心感を与えようとする手口じゃ。
詐欺グループが正規サイトの検索機能などに不正な文言を入力し、検索エンジンにインデックスさせることで、検索結果やAIによる要約機能にも汚染された情報が反映されてしまうことがあるとされておる。
警視庁は、検索結果やAIの要約を鵜呑みにせず、金融庁の警告リストや消費者庁の情報など、公的機関が発信する一次情報と必ず照合することを呼びかけておる。
当サイトも、この点は強く同意する。「ネットで調べたら大丈夫そうだった」という安心材料だけで判断するのは、今の時代はもう危険だということじゃ。
悪質投資顧問の特徴:サイトの作りが悪い/コンテンツの数が少ない/質が低い
悪質投資顧問の特徴として大きく挙げられるのが、詐欺紛いの運営を行い、悪評が広まってきたらサイトを閉鎖、別に新しいサイトを立ち上げて運営を行うという行為を繰り返していることじゃ。
どうしてこのような運営を行うのかというと、顧客から料金を騙し取ることを目的としているからじゃ。
このような運営を行っている投資顧問は、サイトを閉鎖し、また立ち上げるというサイクルが短く、とてもタイトじゃ。
じゃから、短い期間でサイト制作することに支障をきたすため、良質なサイト設計・コンテンツを作ることがないのじゃろう。
多くの悪質投資顧問と呼ばれるサイトはコンテンツ数が少なく、デザインの質が低く、怪しさを感じさせる投資顧問がほとんどじゃ。

悪質投資顧問の特徴:スタッフの対応が悪い/問い合わせの対応が遅い
顧客のことを大切に考えている企業であれば「問い合わせ」を行う「カスタマーセンター」や「サポートスタッフ」に、しっかりとした教育を行い、高いサービスを提供するのが当然と言えるじゃろう。
顧客が問い合わせをするのは「疑問に思うこと」「不安に思うこと」があるからじゃ。
そんな時に問い合わせの返答が曖昧であったり、遅かったら安心して利用し続けることができるじゃろうか。わしだったら信頼することはできん。
投資顧問でも同じように置き換えられる。しっかりと顧客のことを考えている投資顧問はサポートスタッフが優秀じゃ。
会員数の多い投資顧問では返答まで時間がかかることもあるかもしれんが、しっかりと対応をしてくれる。
問い合わせは電話であれ、メールであれ、しっかりとした投資顧問であれば優秀なサービスを提供してくれる。

悪質投資顧問の特徴:偽りの投資実績の掲載
投資顧問のホームページを見ていると「確実に悪質投資顧問だな」と確信する瞬間がある。どんな瞬間かというと「偽りの投資実績」を掲載していると判断した時じゃ。
実際に利用してみない限りは、投資実績に掲載されている銘柄が本当に提供されたものなのかは分からん。
しかし、悪質投資顧問と言われるところは、短期高騰銘柄ばかりを記載していたり、絶対にありえない推奨日・売却日を記載していたりと明らかにおかしい点がある。
実績をみて少しでも「おかしいな?」「変だな?」と感じたら、口コミサイトで実際に利用しているユーザーが書き込んでいることと見比べてみよう。

無登録業者かどうかを自分で確認する方法
ここまで「無登録業者に注意」と繰り返し伝えてきたが、実際にどうやって確認すればいいのか分からないという方も多いじゃろう。
金融庁は、誰でも無料で使える確認手段を用意しておる。
①金融事業者一括検索機能で調べる
金融庁が提供する「金融事業者一括検索機能」を使えば、業者名や電話番号を入力するだけで、その業者が金融庁の登録等を受けているかどうかを簡単に確認できる。
②無登録業者への警告一覧で確認する
金融庁は、無登録で金融商品取引業を行っていると確認した業者に対して警告書を発出しており、その一覧を公表しておる。気になる業者名があれば、こちらでも検索できるぞ。
▶無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(金融庁公式サイト)
もし被害に遭ってしまったら|相談窓口一覧
「もしかしたら詐欺かもしれない」「すでにお金を払ってしまった」という場合は、一人で抱え込まず、早めに以下の公的な窓口へ相談してほしい。
| 相談先 | 連絡先 |
| 警察相談専用窓口 | #9110 |
| 消費者ホットライン | 188(いやや!) |
| 未公開株通報専用窓口(日本証券業協会) | 0120-344-999 |
| 金融庁 詐欺的な投資に関する相談ダイヤル | 金融庁公式サイトを確認 |
金融庁によると、一旦送金してしまうと被害の回復はかなり難しいとされておる。
「口座凍結を解除するため」などと称して、さらに手数料や保証金の名目で追加入金を要求されるケースも多く報告されておるが、こうした追加入金にも応じるべきではない。

悪質投資顧問・投資詐欺に関するよくある質問
Q. 登録業者であれば絶対に安心ですか?
A. いいえ、登録があることだけでは安心の保証にはならん。金融庁も「登録業者を騙ったなりすまし詐欺」が多く報告されていると注意喚起しておる。高利回りを約束するなど、少しでも不審な点がないか、自分の目でも冷静に判断することが大切じゃ。
Q. 「金融庁への届出済み」と言われたら安心していいですか?
A. 注意が必要じゃ。「プロ向けファンド」など、届出のみで済む制度を悪用し、あたかも金融庁のお墨付きを得ているかのように説明する悪質な事例が報告されておる。「届出」と「登録」は別物であり、混同させる説明には要注意じゃ。
Q. SNSで有名人が紹介していたら信頼できますか?
A. できん。有名人の画像を無断で使用した偽の広告が、SNS型投資詐欺の典型的な手口の一つとして報告されておる。本人が実際に関与しているかどうかは、公式発表など別の手段で確認する必要がある。
Q. すでにお金を払ってしまいました。取り戻せますか?
A. 残念ながら、一旦送金してしまうと被害の回復は難しいケースが多いとされておる。ただし、諦めずにまずは警察相談専用窓口(#9110)や消費者ホットライン(188)に相談してほしい。追加の入金要求には絶対に応じないよう気をつけるんじゃ。
悪質投資顧問の特徴:まとめ
「優良投資顧問」を利用して使いこなせば効率的に資産を大きく増やすことも容易いじゃろう。
しかし、ここまで紹介してきた通り、インターネット・スマートフォン・SNSの普及により、投資顧問業を逆手にとり犯罪行為を行う輩が非常に増えておる。
被害額は年々増加を続けており、もはや他人事ではない。
「うまい話には必ず裏がある」と肝に銘じて、悪質な投資顧問の手口にハマらないようにしよう。
「自分の身は自分で守る」ためにしっかりと下調べしてから利用するようにしてほしい。

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